2022年1月6日 (仮訳)Grimmia pulvinataを宿主とするコケ生子嚢菌、Octospora mesliniiの分類の解明 Németh, C., Eckstein, J. & Sochore, M. 2022. Disentangling the taxonomy of Octospora meslinii (Pezizales), a bryophilous ascomycete on Grimmia pulvinata. Czech Mycology. Available at: http://www.czechmycology.org/_cmo/CM74101.pdf [Accessed January 6, 2022] 【R3-09122】2022/1/6投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヨーロッパにおいてコケの一種、Grimmia pulvinataに特異的に生じる稀産種Octospora mesliniiの分類を再検討した。 本種は従来フランスとドイツのみから知られていたが、近年ハンガリーで多くの標本が得られ、本研究で新産種として報告された。 本種のレクトタイプおよびエピタイプ標本を指定し、O. similisのシノニムとする措置を棄却した。 Hungary, Nagymaros, Mt Rigó (ハンガリー新産種) Octospora meslinii (Le Gal) Svrcek & Kubicka 【よく似た種との区別】 Octospora pseudoampezzana ドイツに分布する 同じギボウシゴケ科のコケを宿主とする 宿主の仮根にゴールを誘導する 形態的に類似している(容易に混同されうる) 子嚢盤が帯黒色 子嚢胞子が楕円形 子嚢胞子の装飾が孤立した疣状 EF1-α+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりギボウシゴケ属ではなくミズギボウシゴケ属などのコケを宿主とする 本種と異なり子嚢盤が橙色~帯褐橙色で成熟すると暗褐色~帯黒色になる 本種より子嚢胞子の幅が広い 本種より子嚢胞子の”lipid body”のサイズがやや大きい 本種より側糸頂部の幅が広い EF1-α+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Octospora similis ドイツ、ハンガリーに分布する 形態的に類似している(過去に混同されており、同種ともされていた) 子嚢胞子の形態がかなり類似している 本種と異なりチェコにおける分布が知られている 本種と生息環境が異なる 本種と異なりギボウシゴケ属ではなくハリガネゴケ属、Ptychostomum属、Pohlia属などのコケを宿主とする 本種と異なり子嚢盤が黒色にならない 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種より子嚢胞子の疣の丈が高い 本種より子嚢胞子の疣が粗い 本種と異なり側糸に生時多数の液胞を含む 本種と感染構造が異なる EF1-α+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Octospora musci-muralis ハンガリーに分布する 同じGrimmia pulvinataを宿主とする 本種と異なり宿主の仮根にゴールを誘導しない 本種と異なり子嚢盤が帯黒色ではなく橙色で縁部が淡色 本種と子嚢胞子の形態が全く異なる Octospora grimmiae ハンガリーに分布する 同じGrimmia pulvinataを宿主とする 本種と異なり宿主の仮根にゴールを誘導しない 本種と異なり子嚢盤が帯黒色ではなく橙色~帯赤橙色 本種と子嚢胞子の形態が全く異なる